生命保険がある場合

遺留分の算定において、生命保険にかかわる問題を見ていきましょう。

【問題点】

①死亡した人が保険に入っており、死亡保険金の受取人が、自分ではない第三者となっていた場合、その保険金は遺留分算定の基礎となる財産に含まれるのでしょうか。

 

②死亡した人が生前に保険に入っていたことにより、生前に取得した保険金(給付金)があった場合で、その保険金が遺産に含まれるときには、その保険金は遺留分算定の基礎となる財産に含まれるのでしょうか。

 

③死亡した人が生前に保険に入っていたことにより、生前に取得した保険金(給付金)があり、その保険金の受取人に第三者が指定されており、第三者が保険金を受け取っていた場合、その保険金は遺留分算定の基礎となる財産に含まれるのでしょうか。

 

【回答】

1 問題点①

この問題については、結論を示した判例があります。

死亡した場合に初めて発生する死亡保険金は、保険金受取人固有の権利であり、死亡した人から相続財産のように承継的に取得するものではないと考えられています。また、死亡保険金は保険契約者の払い込んだ保険料と同じだけの金銭が支払われるわけでもなく、さらに死亡した人の稼働能力に代わるものでもありません。

したがって、死亡時に初めて発生する死亡保険金については、遺留分算定の基礎となる財産に含むことはできません。

 

2 問題点②

死亡した人が生前に、自らを受取人と指定し、取得した保険金については、相続財産に含まれ、遺留分の算定の基礎となる財産となることは争いがありません。

 

3 問題点③

生前であるにもかかわらず、第三者を保険金の受取人に指定することは、贈与に似た無償処分であると評価されるため、民法1030条により基礎財産に含まれると考えるのが一般的です。

具体的には、相続開始前の一年間にしたもの、又は当事者双方が遺留分権利者に損害を加えることを知って贈与をしたときは、一年前の日より前にしたものについても、遺留分の算定の基礎となる財産に含まれることになります。